アイヌ文様

受け継がれてきた
カタチ

 アイヌの道具や持ち物のほとんどに彫られ、刺繍される文様。基本の文様にはモレウノカ(うずまきの形。「静かに曲がる」の意味)、アイウノカ(トゲのある形)、シノカ(目の形)などがあり、それらの組み合わせで複雑かつグラフィカルなデザインをつくり出していきます。組み合わせ方は北海道内でも地域によって異なり、また、つくり手によっても違いがあります。
 文様の多彩なデザインは、かつて木彫は男性、刺繍は女性の手仕事として受け継がれてきた中で生まれました。地域によって解釈は異なりますが、文様は魔除けの意味を持つと言われ、着物の襟(えり)や袖(そで)など開いた部分に刺繍されます。つくり手は使う人のことを思い、カムイへの祈りを込めてデザインするため、まったく同じものはひとつもありません。アイヌ文様はたんなる装飾ではなく、たったひとつの心の表現なのです。